桜よりも・・・

あーもう!なんなんだ!!
すごく、ムシャクシャする!!!

しばらく走っていたら、大きな桜の木があった。


「綺麗だな・・・」


満開に咲いている桜を見て、私は心が癒され、だんだん頭が冷えてきた。


どうしよう・・・酷いことを言ってしまった・・・

今になって、後悔をしている。
今更、後悔しても遅いのに・・・
碓氷のあんな顔、初めて見た・・・


碓氷がモテる事は十分承知をしている。わかっているはずなのに、モヤモヤした気持ちが晴れない。


桜の木の傍に腰をおろすと、急に寂しくなった。
自業自得なのに・・・

碓氷は何も悪くない。悪いのは私だ。

自分が勝手に嫉妬したんだ。

女の子達に声をかけられることを。

かけられないって思っていた自分がバカだ。

わかっていたら、こんなことにはならなかったと思う・・・

こうなるんだったら、おしゃれなんかしなきゃよかった。

楽しみにしていた、花見も私のせいで台無しだ。

罪がない碓氷に、八つ当たりをして酷いことを言った。

うかない顔をしていた、私に気を遣ってくれたのに・・・優しく声をかけてくれたのに・・・


なのに・・・私は、私は・・・

碓氷がいないだけで、こんなにも心細いなんて・・・