桜よりも・・・

私は、だんだんモヤモヤした気持ちが込み上がってくるのが、嫌でもわかった。



「ほら、美咲ちゃんも食べなよ?」


うかない顔になってしまった私に気遣ったのか、碓氷が焼き鳥のパックを差し出してくれた。


でも・・・私はいまいち食べる気分になれない。


「いや・・・私は別に・・・」


モヤモヤした気持ちを押さえて、そう言った。



「そんなこと言わないで、食べたら?」

「いらないって言っているだろ!!」



ついに、モヤモヤが押さえきれなくなってしまった。




「さっきから、なんだよ!女の子達に声をかけられて!!」

「ちょ、鮎沢落ち着いて!」

「どうせ、私とは不釣り合いなんだ!!そんなに、声をかけられてモテるんだったら、その子達といればいいだろ!!」



その言葉を言って、ハッとしてしまった。
碓氷も驚いた顔をしていた。



「あ・・・ご、ごめん・・・」



そう言って、私は返事も聞かずに走って、その場を去った。