『不釣り合い』って言われて、胸が苦しくなった。

キュッと胸が締め付けられる感覚・・・

やっぱり、私にはあわないのかな・・・



「大丈夫?さっきから、元気ないけど・・・?」

「あ、あぁ!大丈夫だ!!」

「そう?なら、屋台に行こうか?」



屋台に行ったが・・・


「ねぇ、そこの方、これどうぞ!!」

「あ、あのっ、これ!たこ焼き、サービスです!!」

「ねぇねぇ、リンゴ飴あげる~!」





やっぱり、碓氷は屋台の女子達にもモテていた。

さっきから黄色い声がやたら耳障りだった。

はぁ・・・とため息を出さずにはいられなかった。


「どうしたの?ため息なんかついて?」



振り向いたら、もう既に両手がいっぱいになっていて、口にはついさっき貰った焼き鳥を咥えていた。



「ため息をつくと、幸せが逃げちゃうよ?」


碓氷が焼き鳥を食べながら、そう言った。




『幸せが逃げる』





確かに、さっきからよくないことばかりだ。

なんで?なんで、私だけこういう目にあわなくちゃいけないんだ?

なんで・・・なんで、碓氷にそう言われなきゃいけないんだ・・・

そんなに女の子達にモテるんだったら、私なんかじゃなくてその女の子達といればいいのに・・・