王子様の溺愛カメラマン

俺がじっと見すぎたせいか、視線に気付いたエマも俺を見た。


「ん?なに?」


「え?いや、別に…」


「え~なんか目の動きが怪しいんですけど」


エマは笑いながら、布団の上で胡座をかいている俺の前にちょこんと座った。


目の前に座るエマは警戒心ゼロなんだろう。


いちお、俺も男の子なんですけど~。









「あ~…そういや今日あの人と喋ったぜ?」


「え?誰??」


「唇の冬島」


「!」


唇の冬島というネーミングにエマはプッと吹き出した。


「あの人スゲーな。音楽とか俺わかんね~けど自分の信念に熱いもん持ってた」


「そうだね。冬島先輩はそういう人だね」


「なぜか俺ちょっと親近感沸いたし」


エマはまた笑った。