――5年後







「エ~マ!冬島先輩と最近どうなの?」



高2の夏休み明け


下校時間、隣を歩きながら親友のミキが私に聞いてきた。


「ど、どうって別に何もないよ~?」


「え~?冬島先輩なら絶対お似合いなのにな―」


ミキの言葉に苦笑いを返す私は
王子 愛馬(おうじ えま)


『冬島先輩』とゆーのは
我が校音楽科3年生の冬島雪斗さんのことで


夏休み前に私は彼から告白されていた。



冬島先輩はすごく紳士な人で、ご両親も有名な音楽家。


私のいる普通科の女の子でも、冬島先輩に憧れている子は多い。


そんなスゴい先輩と夏休みの間に何回かデートをしてみて


だけど私は未だに返事を返せていなかった。