王子様の溺愛カメラマン

「性癖なんて知らないよ!ただちょっと唇が…」


「は?」


「くっ唇の形が受け付けないのっ!」


真っ赤になる私を見て、日向くんはポカ~ンとした後に笑いだした。


「あはは、お前それどんな理由だよ」


「だっ…だってしょうがないじゃん…!」


「そんな理由で今まで男と付き合ったことねーの?」


「う、うん…」



中学生の時に告白してくれたクラスメイトは、近くで見るとアゴにうぶ毛が生えていて引いてしまった。


高校に入ってすぐに告白してくれた同級生は、体臭がなぜか受け付けなかった。



「くく…うぶ毛って…それ多分ヒゲだし。成長の証じゃん」


日向くんは可笑しそうに目にたまった笑い涙を拭いていた。