王子様の溺愛カメラマン

隣で肩がふれ合う距離で

こんな夜に高校生の男女が二人きり。







悶々とする私をよそに

日向くんはさっきからオーストラリアの写真を見せながらずっと喋り続けてる。



確かに日向くんの話は楽しかった。



だけど、状況が状況すぎて…

しかもなんでこうなったのかが腑に落ちない私はどこか上の空だったみたい。






ふいにアルバムをめくっていた日向くんの手が止まった。


「エマ」


「え?」


日向くんはちょっと心配するように私の顔を覗きこんできた。




ドキ…ン



「ごめん。やっぱちょっと強引すぎた?」


「……え?」


「てか俺、迷惑だったかな?」


「………」


私が理解できないでいると日向くんはポリポリと首の後ろをかいた。


「エマなんか悩んでたろ?…俺アホだから騒いだら気分も晴れるかな~とか思ったんだけど」


「あ…」


「でもやり方間違えた。ごめん」


隣に座る日向くんは胡座をかいたままグイッといさぎよく頭を下げた。