王子様の溺愛カメラマン

「ななな…なにゆって!!」


「あはははそれ信じるんだ」


真っ赤な私に日向くんは笑い出した。




「……へ?」


「んなの嘘に決まってんだろ、バーカ」


日向くんはスクッと立ち上がると、私の頬っぺたをムニっと引っ張った。


「い…いひゃい!」


そして…痛いけどこの距離感にドキドキして喜んでる私。


もう…やだ―!


そんな私の乙女心を弄んでいるともしらず


罪作りな日向くんは斜め掛けしていたスナップカバンから小さなアルバムを取り出した。


「オーストラリアの写真見せる約束だったろ?」


「…え?」


「あとコンビニのバイトからお菓子をくすねてきたもので」


ポッキーやうまい棒を手にして日向くんはニヤっと笑う。


「廃棄品だけど賞味期限は大丈夫だから」


「え?え??」


「今夜は明るく枕パーティーしようぜ」


日向くんはそう言うと


私のベッドの上から勝手にクッションやぬいぐるみを落として即席ソファーを作った。