夜のキャンプ場はちょっと怖い。
月明かりが照す木々の奥はどこまでも暗く深く、夏虫たちの声がそこらじゅうから聞こえてきた。
私は足元がよく見えず何度も転びそうになった。
「ほら、早く来いよ」
「うわ~ん、待ってよ」
ようやくあの夕暮れの場所に付くと、日向くんは木の幹に懐中電灯を当ててセミを探し出した。
「あ、いた!エマ見ろよ!」
「え~?」
無理やり起こされたあげく夜道を歩かされた私は内心セミなんてどうでも良くなっていた。
だけど
懐中電灯の光に照らされたセミを見ると一瞬で興味を奪われた。
「わ…ぁ!スゴい!!」
茶色だったセミの幼虫は細い足で懸命に木の幹に掴まっていて
その背中がパックリ割れて中から白い生き物が出ようとしていた。
図鑑で見るのとは全然違う。
リアルな生き物の羽化の瞬間は感動するものがあった。
月明かりが照す木々の奥はどこまでも暗く深く、夏虫たちの声がそこらじゅうから聞こえてきた。
私は足元がよく見えず何度も転びそうになった。
「ほら、早く来いよ」
「うわ~ん、待ってよ」
ようやくあの夕暮れの場所に付くと、日向くんは木の幹に懐中電灯を当ててセミを探し出した。
「あ、いた!エマ見ろよ!」
「え~?」
無理やり起こされたあげく夜道を歩かされた私は内心セミなんてどうでも良くなっていた。
だけど
懐中電灯の光に照らされたセミを見ると一瞬で興味を奪われた。
「わ…ぁ!スゴい!!」
茶色だったセミの幼虫は細い足で懸命に木の幹に掴まっていて
その背中がパックリ割れて中から白い生き物が出ようとしていた。
図鑑で見るのとは全然違う。
リアルな生き物の羽化の瞬間は感動するものがあった。



