王子様の溺愛カメラマン

「ミキちゃんだっけ?友達と二人でおいでよ」


「……」


きっとミキが見たら大喜びしそうだな。


だけど…やっぱり冬島先輩の気持ちに答える気にはなれない。


日向くんに会ってみてなおさらそう感じた。


いい加減はっきりお断りしなきゃ…


私は決意して冬島先輩を見た。


「先輩…すみません。これはいただけません」


「え?」


「あとお付き合いのことですけど…私やっぱり冬島先輩のことは…」


だけど、その言葉を遮るように冬島先輩は私の手にチケットを握らせた。


「待って。まだ答えを決めないで…あとコレは僕が単純に君に来てほしいんだ」


「で、でも…」


「僕ピアノを演奏するんだ。その姿を…君に見て欲しい」


「………」


そこまで言われると、さらに断ることが出来ず…


私は渋々チケットを受け取ってしまった。