王子様の溺愛カメラマン

「それで…冬島先輩はなんでここに来たんですか?」


「あぁ。これを君に渡したくてね」


冬島先輩は微笑みながら私に二枚のチケットを手渡した。


世間一般から私立名目といわれる我が校には大きなホールがあるんだけど


そこで毎年秋に行われる音楽科主催のパーティーのチケット。


一応は文化祭って扱いだけど…


仮装に生演奏にとかなり豪華で文化祭というよりは舞踏会。


しかも外部の参加はチケット制になっている。


有料チケットにもかかわらず、毎年すぐに売り切れてしまうんだ。