王子様の溺愛カメラマン

「カッコいい友人だね。」


「はは…」


やんわり微笑む冬島先輩に私もぎこちない笑みを返した。


冬島先輩が門の前にいるから、家に帰ろうにも入れない。


仕方ない…

私はしばらく門の前で冬島先輩に付き合うことにした。


「エマちゃんに男友達がいるなんて意外だったな」


「え~、私だってそれくらいいますよ~」


なんて、本当は男の子の友達なんて初めてなんだけど。


中学生になって初めてクラスメイトに告白された。


それ以来なんだか異性を意識するようになってしまい私はちょっと人見知りな性格になった。


男の子に対して相づちはできるけど…


自分からは会話を探せなくなった。


冬島先輩に対してもそう。


一緒にいてリラックスして会話に集中できないから、相手のアラばかり気になるのかな?






だけど…日向くんは違った。


なんでだろう。

日向くんは相手をリラックスさせる特別な雰囲気があった。