王子様の溺愛カメラマン

「目、あけて良いよ」


「…………」




私はゆっくり瞳をあけた。


右手を見るとやっぱり指輪。


ただし本物の指輪ではなくオモチャ屋さんで売っているようなプラスチックの可愛い指輪だった。




ただ…

その指輪には
小さな星粒がついていた。





「これ………星の砂?」


日向くんを見ると、

月明かりでも分かるくらい照れた顔をしていた。



「綺麗な星型だろ?…見つけるのスゲー大変だったんだぜ?」


「…………」


「指輪は安モンだけど…価格はプライスレスだぜ!」


「…………」


「エマちゃ~ん?…なんか言ってよ」





日向くんの声に、
私はもう涙が出そうだった。





「スゴく…嬉しいよ」



いつの間に…こんなの。


それにこの指輪…
作るのスゴく大変だったろうな。


こんな小さな星の砂…
どうやって引っ付けたんだろ?




「日向くん…ありがと」




ザザァ―――…ン

海が穏やかに鳴った。