「そういやなんでキャンプに来なくなったの?」


毎年逢えるかもって秘かに楽しみにしてたのに…


私はずっと気になってたことを聞いてみた。


「中学に入ったら海外行って良いって約束だったんだよ」


「海外?」


「うん」


日向くんはストローを加えながらうなずいた。


「ほんとはずっと海外に行きたくてさ。両親と約束してたんだよ」


「な、なんで海外に?」


「別に…ただ単純に色々見てみたくねぇ?」


日向くんの瞳がきらきらと輝きだす。


「地球上には知らない世界がいっぱいあるのに、知らないなんて嫌じゃん?」


「う、う~ん?」


「感じられるものを撮りたいんだ。……ってわかんね~よな?」


日向くんは首をかしげながら笑った。