王子様の溺愛カメラマン

ソファーに座ると私は思い切り鼻をかんだ。


滝のような鼻水にティッシュはたちまち濡れた山になる。


私の隣に座るママは体を私の方に向けた。



「それで…エマは日向くんからちゃんと話しは聞いたの?」


「………」


ママの言葉に私は首を横に振った。


「…日向くん…もう決めてたみたいだし…グス…話なんて…もう意味ないよ」


「意味がない?」


首をかしげるママに私はティッシュで目頭を押さえた。


「意味ないよ…!私の意見なんて日向くんは求めてないし…!私なんかいなくても日向くんは平気なんだよ、きっと……」



わあぁぁぁ――!

感極まった私はまた泣いた。