王子様の溺愛カメラマン

――ガチャ


しばらくするとエマとエマのおじさんが同じタイミングで応接室へ入ってきた。



「…待たせたな」


おじさんとエマが向かいのソファーに座り

机を挟んで王子家と水梨家が向かい合う格好になった。


おじさんはやっぱり普段着を着ていて、一人だけスーツの親父は予想通り浮いていた。








「今日はまた一段とお日柄もよく」



開口一番、意味がわからない事を言い出したのはやっぱり親父だった。



「春馬クンも一段と機嫌が良さそうだな?」


「…別に普通だ」


「はは♪この野郎、照れるなよ~?」


「………」


エマのおじさんは静かに親父を睨んだ。


その視線には完全に殺意が含まれている…




や、やべぇ…

親父のせいで早くもおっちゃんキレかけてる。



このクソ親父
なにしてくれてんだよ!


ってか、大事な娘さんをいきなり外泊までさせたんだ。


普通の親ならキレても当たり前だろ。