王子様の溺愛カメラマン

エマは昨日着ていた制服を

俺はきっちりめ普段着ということでシャツに黒ジャケットを羽織った。


どうだ?

なかなか様になってるだろ?


髪を決めればまるでどっかの王子さまだぜ。


この顔は親父に感謝する数少ない遺伝だな。





全員の身支度も終わり、俺たちはいよいよ親父の車でエマの家に向かった。



「春馬の家に行くのも久しぶりだなぁ」


結局、金のネクタイを選んだ親父はハンドルを操作しながら楽しそうだ。



「親父…頼むから余計なこと言うなよ?」


「大丈夫だ。全て父さんに任せとけ」


「………」


いや…

任せるとか良いから、とにかく喋らないで欲しい。


親父が喋ると上手くいくもんもいかねぇ気がする。


マジで不安だ…。


そんな俺の心配をよそに親父は終始鼻歌まで歌っていた。