王子様の溺愛カメラマン

変な緊張は完全にほぐれた。

ようやく俺は俺を取り戻した。




一方、エマは固まったまま金魚みたいに口をパクパクさせている。





「お~い、せっかく撮るんだからなんかポーズとってみろよ」


「……え?!」


俺はエマに向かってさらにカメラを掲げた。


「はい、ポーズ」


「!!」


レンズ越しに見るエマは布団の上でわたわたしていた。


「や、やだよ~!恥ずかしいもん」


「恥ずかしいと思うから恥ずかしいんだよ」


「なにその理屈!」


「はは、とにかくやってみろって」


「でも…ポーズとか…わかんないよぉ」



エマはもう首まで真っ赤っかになって頭から湯気がたってる。



ぷくく…

俺はそんなエマを見てベッドの上で胡座をかいたまま笑った。