王子様の溺愛カメラマン

「日向くん?どうしたの?」


「あ?気分転換だよ」


「気分転換…?」


「おぅ。必殺ムラムラ撃退法だ」



好きを自覚したあの日から、17年間眠っていた俺の本能はいきなり爆発した。


富士山大噴火レベルの
制御不能の緊急事態発生だった。


亮太はそんな俺に
『やっぱり日向は極端すぎ』なんて笑っていたが…





“女の子は大事にしろ”


俺の親父がずっと俺に言い聞かせてきた格言。



言われなくても分かってるけど俺はこの一ヶ月

エマを大事にするために真剣に悩んだんだ。







星空を仰いで何度も深呼吸している内にようやく気分が落ち着いた。



くるりとエマを見ると

エマはベンチに座ったままウルウルした瞳で俺を見上げていた。




う…またきた。