日向くんはようやく顔を離した。



ライトアップの光が日向くんの濡れた唇を照らし、その頬が赤くなっているのが分かった。










「お前といると頭回んねぇ……」



日向くんは恥ずかしそうに私の体を離すと手の甲で唇を拭いた。



なにそれ…


「日向く…いきなり…こんなキスずるいよぉ」




私は泣きそうだった。


いきなり怒られて責められて、ファーストキスまで奪われて。


なのにこんなキスされたら…


もう胸がいっぱいで言い返す言葉も見つからないよ。