舞踏会ホールの隣には小さなバラ園があり、私はそこの白いベンチに下ろされた。 静かな空には星が輝き舞踏会の音楽がかすかに聴こえてくる。 薔薇を下からライトアップする光が辺りもほのかに照らし怪盗の白いマントが揺れた。 「…日向くんでしょ?」 ベンチに座る私は彼を見上げた。 仮面をして目元を隠しても分かる。 彼は絶対に日向くんだ。 「………」 白い怪盗は静かに仮面を外すと私を見た。 その顔はやっぱり日向くんで、久しぶりに見るその顔に私の胸が苦しくなった。