王子様の溺愛カメラマン

「なんかピンと来ないんだよ~。客観的にすごく素敵な人だとは思うけど…」


「思いきって付き合ってみたらもっと好きになれるかもよ?」


煮え切らない私の背中を押すようにミキは続ける。


「エマはモテるんだからさ!もっと青春を楽しまなきゃ損だよー」


最近彼氏が出来たミキは私ともっと恋バナがしたいみたい。


私はミキの恋バナを聞いてるだけでも充分楽しいんだけどなぁ。


「それともまだあのキャンプの彼を想ってるの?」


小学生の頃から親友のミキには私の幼いあの恋心の話もしていた。


「まさか!私そこまで一途じゃないよ~」


確かに日向くんのことはしばらくずっと胸の中にあった。


だけどあれ以来一度も会えてないし。


毎年例のキャンプはやるから、そのたびにちょっと会えるかも、と期待はするけど…


普段はもう忘れちゃってるし。


結局今年も、日向くんがキャンプに来ることはなかったし…。