「なんで名前知ってるか気になります?

また話す機会があったらその時に答えますよ!

ぶつかった上に、引き止めちゃってすいません。では!」


蓮川くんは2年生の校舎へと走っていった。

…私の手をやっと放して。



教室に着く頃、私の手にあった熱はもう冷めていた。


でも、心のあったかさは消えなくて。


桜の花びらが拾えたからだと思ってた。


気づいてなかったんだ。

奏太くんの笑顔を見たからだなんて。

心に焼きついてただなんて。