「晴くんは試合出てないんだねー残念。」


みなみが寂しそうに言う。


「え?」


「ほら、あそこのベンチにいるでしょ?」


指差す方を見ると、確かにそこに晴の姿があった。


まぁ、1年だし仕方ないよね。


「もう。梓ったら自分の弟を見つけられないほど、奏太くんのこと見てたんだねー」


ニヤニヤしながらこっちを見るみなみ。


私の体温があがるのがわかった。


「そ、そんなことないよ!」


「本当にかわいいな梓は。ははっ。それにしても恋するなんて男嫌いから大きな進歩だね。」


「…やっぱりこれって…恋…なのかな?」


気づけばずっと奏太くんのことを考えてて。

1番に奏太くんのことを探して…すぐに見つけちゃう。


まるで、奏太くんを思うことが私の一部になってしまったような変な感覚に陥っている。



「奏太くんはただの後輩?…違うでしょ?」


うん、違う。

いつしか特別な存在になっていた。


私は…あなたのことを…奏太くんのことを好きみたいです。