*azusa side*


「はぁ••• はぁ•••」


お弁当の入った大きなかばんを持って、息を切らしながら走る。


お弁当のおかずに凝ってたら、いつのまにか試合開始時間ギリギリになっていた。


学校までこんなに遠かったっけ?


全力疾走しているのに、いつもより道のりが遠く感じた。




「梓ー!」

やっとの思いで学校に着くと、みなみが校門で待っていた。


「おはよ、みなみ。」


「遅い!もう始まっちゃうよ?ほら、走って!」


呼吸を整えながら言う私に、このみなみの一言。


「えー⁉」

一気に自分の顔が青ざめたのがわかる。

もう走りたくないよー!



「梓は今日なんのために来たの?
蓮川くん、見なくていいの?」



私にとって特別な存在の奏太くんが誘ってくれた練習試合。




もちろん•••

「走る!」


私は今までの疲労を忘れ、また走った。