「晴!おはよ!そういう晴も早いじゃん。」
「なんか家にいると姉と2人だからめんどくさいんですよ。
それに身体も動かしたかったし。」
そう言って、晴はボールを蹴り始めた。
「姉と2人って•••まさか2人暮らし?」
晴の言葉にあまりにもびっくりして、とっさに出た質問だった。
思わず手で口を抑える。
聞いちゃまずい質問だったか•••?
「いやいや、重たい話ならこんな朝からしないっす。
親が共働きで朝早く出て行くんで起きる頃にはもう2人なんですよ。
今日も見にくるだのうるさくって。」
笑いながら言う晴。
俺はほっと一息。
「よかったー。で、お姉さん来るんだ。
何歳離れてんの。」
「2つですよ。今3年で、ちなみにこの学校です。」
「えー⁉そうなんだ!
俺知ってるかな?って先輩ならわかんねぇな。」
「さてどうでしょうね?」
晴の笑い方はさっきの笑いとは違って、何か奥がある笑い方だった。
なんなんだ?
「姉の話なんかどうでもいいんで、もうちょっと身体動かしましょ。
付き合ってくれますよね?」
まぁ、考えても無駄か!
「もちろん!」
そう思った俺は集合時間まで晴と練習に励んだ。