名前はえっと…


「山崎佑。俺もサッカー部なんだ。」


そうそう!
みなみが『佑』って呼んでたっけ。


「ご、ごめんなさい。私、男子の名前覚えてなくて…。」


クラス替えがあったから、まだこのクラスになって少ししか経ってない。


ただでさえ苦手なのに名前覚えるなんて…結構時間がかかる。


「いいよ!広野さんさ、俺と話すの大丈夫?」


え…?


「あ、いきなりごめんね。広野さんは男が苦手だから、俺が話に入ってもいいのかなーって。」


山崎くんの話を聞いて、私は気づいた。


そういえば、私って男の子苦手だったよね?


山崎くんは男の子なのに…普通に…接してる?


「…やっぱり奏太くんのおかげかも…」


私は小さくつぶやいた。


「どうしたの?」


「な、なんでもない!大丈夫だよ、山崎くん。」