コンコン―


「なに?」


夜。

私は晴の部屋を訪ねた。


「晴、ちょっといい?」


「…だから、なに?」


私が部屋に入って話しかけても、こっちを向くことなくそう言う晴。


ほんといつからこんなに生意気になったんだろう。


「晴ってサッカー部入るの?」


「入るつもりだけど。」


「そっか。来月の3週目の土曜日に練習試合あるんだって。

私、見に行こうと思うんだけど…」


「…は!?」


晴はようやく私のほうを見た。


「梓、サッカーわからないだろ?」


うん。全然わからない。


けど…


「サッカー部の2年生に誘われたから、せっかくだし行ってみようかなって。」