私の両親は共働きで、私たちが起きる頃にはもう両親は家にいない。


昔から自分たちで起きるのは当たり前だから、朝起きる習慣もついてるし寝坊なんてここ何年もしていない。


…なのに。


「なんでこんなに頭から離れないかなぁ…」



男子が苦手でまだ恋もしたこともない

そんな私がこんな風になるなんて。


蓮川くんは魔法でも使ったのかな?なんてバカなことを考えてしまう。


とりあえず、今は学校に行かなきゃ。


やっと用意ができた私は学校に向かう。


学校までは電車で30分。

歩く時間を含めると片道1時間くらいかかる。


音楽を聞いていれば学校はすごく近く感じる。

でも、朝のラッシュがまだ続く電車を学校の最寄り駅で降りた私は、イヤホンを外す。


先生に見つかったら没収だから。


没収なんて絶対嫌だもん。


「あれ?梓センパイ?」


音楽プレーヤーを鞄にしまっていると、自分の名前が呼ばれた。


顔をあげると魔法使い…じゃなかった、蓮川くんがいた。