*azusa side*


ドンッー


誰かがドアを叩く音がした。


「ん…」


その音で目を覚ました私は、目をこする。


「おい、梓。いつまで寝てんだよ。」


声のするほうを見る。


ドアを叩いていたのは弟の晴(はる)だった。


晴は2つ下の高1でおととい同じ学校に入学した。


身長は175cmくらいあって細身。


すごく生意気で私と正反対。


私は晴の言葉を思い出し、時間を確認する。


「えー!もうこんな時間!?」


時計の針は悲しくも、家を出る時間を指している。


「起こしてくれた弟様に感謝しろよ。じゃ、俺学校行くから。」


そう言って、晴はドアを閉めた。


起こしてくれるならもっと早く起こしてよ!!


…と思いながらも、急いで準備をする。