「ふーん…」


いいなぁ、佑センパイ。


梓センパイと同じクラスだし、あいさつも自然にできる。


俺は学年も違うから会えるかさえ微妙だし。


「広野さん、もしかしたら本当はもう男苦手じゃないかも。」


「え?」


梓センパイが男子苦手じゃない…かも?


「だって、あいさつしても嫌そうじゃなかったし。

高校入学当時は本当にそうっぽかったけど。

まぁ、どうかわからないけど男苦手じゃなかったら、奏太とのことも大丈夫なわけだし!な?」


佑センパイは俺の肩をたたき、サッカーボールをしまった。


「ほんとへこんでる暇なんてないっすね。」


俺は改めて決意をした。


梓センパイが男子苦手じゃなかったら、男は話しかける。


そんな光景は見たくない。




「そうそう!さて、ゲーセンでも行くか!」


「はい!」


俺たちは部室を出た。