ぽっちゃり恋物語+。

「よっしゃ!」


ドンッー


俺は梓センパイの近くを舞う桜の花びらを掴もうとし、わざと梓センパイの背中にぶつかった。


「いたっ…」


「すいません!大丈夫ですか!?」


げ…やりすぎた…。


そう思いながら俺が聞くと、梓センパイは何度もうなずいた。


「え、でもいま『いたっ』って…」


「ほ、本当に大丈夫です!私こそごめんなさい!」


よかった…。


ホッとしたのもつかの間だった。


梓センパイは走り出そうとしていた。


まじかよ…!


俺はその気配を読みとり、思わず梓センパイの腕を掴む。


「え…?」


「あ…いきなり掴んですいません!桜の花びらが頭についてたから。」


とっさに考えた嘘だった。


でも、ちゃんと梓センパイの頭には桜の花びらがあって…

桜は俺を応援してくれてるのかな?とちょっとうれしくなった。