「で、広野さんがどうかした?」


えっと…なんて答えればいい?


名前も知らない人を気になってるなんて、ましてや同じクラスの佑センパイに言える?


…言えないな…。


「答えたくないなら別にいいけど。これだけは教えとく。広野さんって男子がかなり苦手みたいで、必要以上に男子と話してない。それに…」

それに?

話の続きを待つ俺。


佑センパイは続きを話すどころか笑いはじめた。


「ちょ!佑センパイ!笑ってないで続き話してくださいよ~」


「奏太、お前わっかりやすいなー!」


俺は佑センパイに肩を組まれ、耳打ちをされた。


『広野さんのこと好きなんだろ?』


す…き…?


「ち、違うっすよ!!」


俺は佑センパイから離れる。