「「え?」」


『みなみ』という人と俺の声が重なる。


「だって…本当は男の子なんでしょ?私、男の子苦手だからなんとなくわかるの。」


バレないようにしてるのがわかったのか、小さな声で言ったこの人。


「えぇ!?」


『みなみ』という人が驚く。


俺はすごくうれしかった。

うれしくて声が出なかった。


気づいてくれなんて思ってなかったけど、男の制服を着ても『かわいい』となる俺。


なのに、メイド服を着ているにも関わらず男だと気づくなんて…。


今まで男として自信がなかった。

でも少しだけその自信を取り戻すことができた。


「なんでメイドしてるか知らないけど、がんばってね。」


「…ありがとうございます!」


男の子が苦手だからなのか、すごく声自体は少し冷たかった。

でも…優しさがすごく伝わってきた。


俺は心からお礼を言った。