親に、「参考書が欲しい」と言うと、驚いた顔をした後に、疑いの眼差しを向けられた。
「優のことだから、どうせ漫画買うんじゃないの?」
「ちげーよっ、参考書。」
ふぅん、と未だ疑い半分の母親は、ちゃんとレシートと買ったものを見せるという条件付きで参考書の代金をくれた。
「で?俺に付いてこいって?」
「いいじゃねーかよ、今度映画行くんだから」
「おー。じゃあこれで借りはなしな」
文句を言いながらも少し楽しそうな西村の背中を俺は睨む。
でも、一人で行く勇気はなかったし、練習がキツいサッカー部の貴重な休みの日に付き合ってもらってるんだから文句は言えない。
「その小さい子ってこの前あった子だろ?」
「そう、俺が飲み物とってあげた子。」
「その子にまた会えちゃった、と」
ふふふんと冷やかしのように言う西村の脇を俺は肘打ちした。
痛いと騒ぐ彼に、俺は「好きとかそんなんじゃねーよ」と精一杯の抵抗をする。
「なに、好きじゃないのに会いにいくの?」
「いく。」
「なんで」
「…仲良くなりたいから」
「もー素直じゃねぇなぁ松本くん」
まるで酔っぱらいのおじさんのようにニヤニヤしながら俺に絡んでくる西村少しうざったく思いながら、本屋までの道を歩く。
夕暮れの空はすっかり茜色に染まっていた。
「こんな所に本屋なんてあったんだ。」
その本屋を見た西村は、この前の俺と全く同じ考えを口にした。
たぶん、ここを通る学生のほとんどはそう思うだろう。
通学路。毎日通っているはずなのに意識しないと気づかない。
周りにある高いビルの間に、隠れるようにその本屋は存在しているのだから
「優のことだから、どうせ漫画買うんじゃないの?」
「ちげーよっ、参考書。」
ふぅん、と未だ疑い半分の母親は、ちゃんとレシートと買ったものを見せるという条件付きで参考書の代金をくれた。
「で?俺に付いてこいって?」
「いいじゃねーかよ、今度映画行くんだから」
「おー。じゃあこれで借りはなしな」
文句を言いながらも少し楽しそうな西村の背中を俺は睨む。
でも、一人で行く勇気はなかったし、練習がキツいサッカー部の貴重な休みの日に付き合ってもらってるんだから文句は言えない。
「その小さい子ってこの前あった子だろ?」
「そう、俺が飲み物とってあげた子。」
「その子にまた会えちゃった、と」
ふふふんと冷やかしのように言う西村の脇を俺は肘打ちした。
痛いと騒ぐ彼に、俺は「好きとかそんなんじゃねーよ」と精一杯の抵抗をする。
「なに、好きじゃないのに会いにいくの?」
「いく。」
「なんで」
「…仲良くなりたいから」
「もー素直じゃねぇなぁ松本くん」
まるで酔っぱらいのおじさんのようにニヤニヤしながら俺に絡んでくる西村少しうざったく思いながら、本屋までの道を歩く。
夕暮れの空はすっかり茜色に染まっていた。
「こんな所に本屋なんてあったんだ。」
その本屋を見た西村は、この前の俺と全く同じ考えを口にした。
たぶん、ここを通る学生のほとんどはそう思うだろう。
通学路。毎日通っているはずなのに意識しないと気づかない。
周りにある高いビルの間に、隠れるようにその本屋は存在しているのだから
