「あんな所に本屋なんてあったんだって思ってます?」
ふふ、と可愛らしい声が揺れて、彼女は笑う。
まんまと心の中を読まれてしまった俺は、焦った様に「いや、そんなことないです」と手の平をぱたぱたとさせた。
あぁ、これじゃあ肯定してるようなもんじゃないか。
「あはは、いいんです。私たちぐらいの人ってあまり来ないし」
「あ、やっぱり…」
「近くの大学生が多いです。参考書とか買いに」
’私たちぐらいの’と言う事は、彼女は俺と同じ歳ぐらいっていうことだろうか。
遠目でみるとその身長から幼く見えるが、こうやって話していると、落ち着いてしっかりしていて少しだけ大人びて見えた。
「あの、」
「あっ」
「へ?」
聞こうとした俺の声は、彼女が上げた声に遮られる。
「もうすぐ休憩終わっちゃうから行きますね」
「え、あ、すいません呼び止めて」
「いいえ、今度本買いにきてください」
そうニッコリと営業スマイルを見せて、彼女は小さなメモを片手に珈琲が並んでいる棚へと向かっていった。
その後ろ姿を追って、俺の心は音を立てる。
歳どころか、名前すら聞けなかったけれど、あの本屋に行けばまた会える。
そのことが、どうしようもなく嬉しかった。
それを恋と呼ぶには、まだ幼い気がしたけれど
それから俺は、あの雑誌も漫画も置いてなさそうな本屋に、何を買いにいこうかと頭を悩ませることになる。
ふふ、と可愛らしい声が揺れて、彼女は笑う。
まんまと心の中を読まれてしまった俺は、焦った様に「いや、そんなことないです」と手の平をぱたぱたとさせた。
あぁ、これじゃあ肯定してるようなもんじゃないか。
「あはは、いいんです。私たちぐらいの人ってあまり来ないし」
「あ、やっぱり…」
「近くの大学生が多いです。参考書とか買いに」
’私たちぐらいの’と言う事は、彼女は俺と同じ歳ぐらいっていうことだろうか。
遠目でみるとその身長から幼く見えるが、こうやって話していると、落ち着いてしっかりしていて少しだけ大人びて見えた。
「あの、」
「あっ」
「へ?」
聞こうとした俺の声は、彼女が上げた声に遮られる。
「もうすぐ休憩終わっちゃうから行きますね」
「え、あ、すいません呼び止めて」
「いいえ、今度本買いにきてください」
そうニッコリと営業スマイルを見せて、彼女は小さなメモを片手に珈琲が並んでいる棚へと向かっていった。
その後ろ姿を追って、俺の心は音を立てる。
歳どころか、名前すら聞けなかったけれど、あの本屋に行けばまた会える。
そのことが、どうしようもなく嬉しかった。
それを恋と呼ぶには、まだ幼い気がしたけれど
それから俺は、あの雑誌も漫画も置いてなさそうな本屋に、何を買いにいこうかと頭を悩ませることになる。
