「ねぇ銀零・・・」



「なんじゃ」



「一体、なんだって地下鉄に?」







地下に行く前にハツは電話に化けた銀零に問いかける。







「乗ってみたいと思ったからじゃ」







絶対嘘だ、と思ったが言えなかった。







「そういえば、地下鉄で電話してるのってちょっと不自然なんだけど・・・」



「ふん、不便じゃな」



「江戸時代より快適だよ」



「よく江戸生まれだとわかったな」



「口調で」



「・・・・・・。で、携帯はダメってことか?」



「うん・・・話さなくていいなら、携帯のままでもいいけど・・・」



「それじゃダメだな」



「わっ!?」







言った瞬間ボンッという音と共に携帯が消えた。



と、思って煙が晴れた場所を見れば、そこには前の着物ではなく私服を着た銀零の姿が。







「えっ・・・ぎ、なん・・・」



「携帯がダメなら人型じゃろ。元のこの姿なら問題なしじゃろ?」



「ねぇ、あの人どこから・・・?」







はっとして周りを見れば、通行人が驚いたようにこちらを見ていた。







「す、すっご〜い銀零くんのマジック。でもそろそろ電車の時間だから行こっか〜」



「くん!?ι」







ぎょっとしている銀零を引っ張りながらそそくさとハツは地下へと下りていった。