夏になり、衣替えをして青と白を基調とした制服に身を包んだハツは、授業に出ずに屋上にいた。


グラウンドでは男子が体育でサッカーをしているが、今日は女子がプール開きだったな、とハツはぼんやりと考えていた。







「相も変わらず、お主は授業に出らんのじゃな」



「銀零、重いんだけどι」







いつの間にか現れた銀零はハツの頭に乗りグラウンドに目をやっていた。







「来ても授業にはろくに出ず、お主は何しに来とるんじゃ」



「出席日数の確保に」



「授業単位は」



「私、入学以来首位独占だから」







ハツの言葉に心底有り得ないという驚きの顔で石に化けて固まった銀零。







「そんなにおかしい!?石に化けるほど!?」



「お主は馬鹿以外の何者でもないと思っておったからな」



「真顔なのがムカツク!!」







なんと、そーだったのかとぶつぶつと呟く銀零に殴りかかろうかと思ったハツだったが返り討ちにあいそうだったのでやめた。







「じゃが、虐められているわけではなかろう。普通に友人もいるようだし」



「・・・・・・まあ、ね・・・色々あるんだよ私にも」







銀零から視線を外し、またグラウンドに目をやりながらハツは言う。


そんなハツをじっと見ていた銀零は、ハツがげっと顔を歪めたのを見逃さなかった。