あたしの体は壁に押し付けられた。

その衝撃で手にしていた紙袋は床に落としてしまった。


「ダメ。……んなの、聞いてやんねーよ?」


卓巳君は口の端をちょっと上げて、ニヤリと微笑むと、またあたしの唇を奪った。

卓巳君の手がワンピースの裾から入ってきて、脚に触れる。

すでに背中のファスナーは最後まで下ろされていた。

ワンピースはあっという間に脱がされ、床にストンと落とされた。


卓巳君のために選んだワンピース。

少しでも可愛いって思われたくて選んだのに……。

ちゃんと見てもらえもしなかったね。


――バカみたい。

何着ても一緒だったのに。


結局すぐに脱がされちゃうんだもん。


卓巳君が関心を示すのは結局あたしの体だけだったのかな。



あたし達はそのまま崩れるように床に倒れ込んだ。