さっきあたしが落としたものだ。
レジ台の下に入り込んでしまった100円玉。
「あれ……取れたんですか?」
おずおずと尋ねるあたしに、和美さんは手にしていた30センチぐらいの定規を見せる。
「はい。頑張っちゃいました」
きっとそれをレジ台の下に差し込んで100円玉を手繰り寄せたんだろう。
床に這いつくばって一生懸命取ってくれた姿が眼に浮かぶようだった。
「わざわざ……すみません。ありがとうございます」
ペコリと頭を下げたあたしに、和美さんもつられてペコペコと頭を下げる。
「いえいえ、追いついて本当に良かったです」
そして「じゃ、これで……失礼します」和美さんはそう言ってあたし達に背を向けて走り出した。
だけど、数メートル進んだところでまた振り返る。
あたしはやっぱり何か言われるのかと身構えた。
「……あの……」
レジ台の下に入り込んでしまった100円玉。
「あれ……取れたんですか?」
おずおずと尋ねるあたしに、和美さんは手にしていた30センチぐらいの定規を見せる。
「はい。頑張っちゃいました」
きっとそれをレジ台の下に差し込んで100円玉を手繰り寄せたんだろう。
床に這いつくばって一生懸命取ってくれた姿が眼に浮かぶようだった。
「わざわざ……すみません。ありがとうございます」
ペコリと頭を下げたあたしに、和美さんもつられてペコペコと頭を下げる。
「いえいえ、追いついて本当に良かったです」
そして「じゃ、これで……失礼します」和美さんはそう言ってあたし達に背を向けて走り出した。
だけど、数メートル進んだところでまた振り返る。
あたしはやっぱり何か言われるのかと身構えた。
「……あの……」

