「で。それにすんの? クリスマスプレゼント」
ふいに沙耶があたしの手元を見て尋ねる。
あたしは今、卓巳君へのプレゼントを選んでいたのだ。
卓巳君、手袋を失くした……って言ってたから。
これならあげても迷惑じゃないかなって思って。
「決めた。これにしよ」
あたしが選んだ手袋は、茶色のスエードに手首と指のサイドだけがニットになっている。
そっと自分ではめている。
笑っちゃうぐらい大きくてブカブカだった。
でも、あったかいや……。
卓巳君、喜んでくれたらいいな。
「買ってくるね」
あたしは沙耶にそう言って、手袋をレジに持っていった。
「いらっしゃいませ。プレゼントですか?」
レジ台に手袋を置いて、お財布を鞄から取り出そうとしていると店員さんに声を掛けられた。
いつまでも聞いていたくなるような、耳に心地良い可愛らしい声に、あたしは思わず顔を上げ……
そして固まった。
「あの……プレゼント用ですか? ご自宅用ですか?」
いつまでも答えようとしないあたしに、不思議そうな顔を向ける店員さん。
「あ、はい……。プレゼントです」
声が震えた。
――なんて偶然。
自分のタイミングの悪さをつくづく呪いたくなる。
その可愛らしい声にぴったりな顔。
ふわりと花が咲いたように笑う笑顔。
見間違うはずもない。
――和美さんだ。
ふいに沙耶があたしの手元を見て尋ねる。
あたしは今、卓巳君へのプレゼントを選んでいたのだ。
卓巳君、手袋を失くした……って言ってたから。
これならあげても迷惑じゃないかなって思って。
「決めた。これにしよ」
あたしが選んだ手袋は、茶色のスエードに手首と指のサイドだけがニットになっている。
そっと自分ではめている。
笑っちゃうぐらい大きくてブカブカだった。
でも、あったかいや……。
卓巳君、喜んでくれたらいいな。
「買ってくるね」
あたしは沙耶にそう言って、手袋をレジに持っていった。
「いらっしゃいませ。プレゼントですか?」
レジ台に手袋を置いて、お財布を鞄から取り出そうとしていると店員さんに声を掛けられた。
いつまでも聞いていたくなるような、耳に心地良い可愛らしい声に、あたしは思わず顔を上げ……
そして固まった。
「あの……プレゼント用ですか? ご自宅用ですか?」
いつまでも答えようとしないあたしに、不思議そうな顔を向ける店員さん。
「あ、はい……。プレゼントです」
声が震えた。
――なんて偶然。
自分のタイミングの悪さをつくづく呪いたくなる。
その可愛らしい声にぴったりな顔。
ふわりと花が咲いたように笑う笑顔。
見間違うはずもない。
――和美さんだ。