「じゃ、ちゃんと戸締り気をつけてね! ヘンな人来ても入れちゃダメだからね!」


しつこいぐらい敦に注意を促して家を飛び出した。


外は雪が降り出しそうなぐらい寒い。

急いで出てきたのでマフラーをしてくるの忘れちゃった。

あたしはコートの襟を手繰り寄せて、首をすくめる。



自分でも信じられないことしてる。


あたしこんな大胆だっけ?


何があたしをこんなに突き動かすのだろう。


だけど、もうどうにも止まらなかったあたしは……


卓巳君にちゃんとしたご飯を食べてもらいたくて……


ただただ彼のもとへ向かった。