不機嫌でかつスイートなカラダ

キスなんて何度もされてるのに。

それでも、いつもドキドキする……。

卓巳君の熱い吐息と柔らかな唇の感触を味わう。


感情があふれ出す……。


もっともっと欲しくなって、あたしはさらに彼を求めるの。


好きで、好きで、好きで……


たまんない。


卓巳君はそっと唇を離した。


優しく髪に触れながら、あたしの顔を覗き込む。


卓巳君の目、好き……。



――キスして?

見つめ合ったまま、声には出さずに唇を動かして呟く。


「何?」


わかってるくせに、わざと知らん振りする卓巳君。


「どうして欲しいの?」


「わかんない……」


恥ずかしくて言えない。

自然と涙腺が緩んで、また目が潤んできた。


「言わなきゃわかんないよ?」


「……いじわる」


涙目で睨み返すわたしの耳に、卓巳君はクスクス笑いながらキスをしてくれた。


「だから、その目がヤバいんだって……」


と甘く囁きながら。