不機嫌でかつスイートなカラダ

「へ?」


一瞬目を丸くした卓巳君は、あたしが言いたいことがわかったのか、「ああ……」と小さく呟いた。


「マジで考えてる。もちろん、すぐにじゃないよ。萌香の夢がちゃんとかなってから」


「あたしの夢……?」


「栄養士になるんでしょ?」


「卓巳君……」


覚えてくれてたんだ。

研究室で語った、あたしの将来の夢のこと。


「でも、早過ぎない? あたし達出会ってまだ一ヶ月ぐらいしか経ってないんだよ? まだお互い知らないこといっぱいあるし。全部知ったら卓巳君、あたしのこと嫌いになっちゃうかも……」


「知らないことは、これから知っていけばいいじゃん。それだけのことだろ? それに……」


「それに……?」


なぜか言葉につまった卓巳君に、あたしはキョトンと彼の顔を見上げる。

卓巳君の頬はみるみる赤くなる。


「オレ……」