星を離れた王子は、やがて地球にやってくる。
ある日、砂漠の真ん中で、故障で不時着した飛行機のパイロットと出会う。
王子はパイロットにこんな質問をする。
《花は何のためにトゲをつけてると思う?》
飛行機の修理に追われていたパイロットはその質問に適当に答える。
《さあね。花はいじわるだからトゲをつけてるんじゃないかい?》
それを聞いた王子はムキになる。
《うそだよ! 花は弱いんだ。だから自分を守るために、トゲをつけているんだよ! トゲは花の武器なんだ!》
「あ……」
あたしは昼間に、卓巳君が言っていた言葉を思い出す。
あたしを押し倒した時、抵抗するあたしに卓巳君が言ったセリフ。
『萌香チャン……バラの花にはなんでトゲがあるか知ってる?』
あれはこの劇の中のセリフだったんだ。
「よっ!」
一人で納得していたあたしの肩を誰かがポンッと叩いた。
見ると、優一君がニコニコ笑って、あたしの左隣に立っていた。
「優一君! 合コンは……?」
「もう、フケてきた。こっちの方が面白そうじゃん」
「確かにねぇ……」
あたしの右隣では腕を組んで和美さんがクスクス笑ってる。
「卓巳、今頃、絶対焦ってるよね。萌香さんにあんな姿見られちゃってさ」
「だよなぁ」
優一君も楽しそうに相槌を打つ。
「けどさぁ……萌香さんと卓巳が知り合ってしまったのは、ほんと大誤算だったよねぇ」
和美さんの唐突な言葉に、あたしは驚く。
「え……どういうことですか?」
ある日、砂漠の真ん中で、故障で不時着した飛行機のパイロットと出会う。
王子はパイロットにこんな質問をする。
《花は何のためにトゲをつけてると思う?》
飛行機の修理に追われていたパイロットはその質問に適当に答える。
《さあね。花はいじわるだからトゲをつけてるんじゃないかい?》
それを聞いた王子はムキになる。
《うそだよ! 花は弱いんだ。だから自分を守るために、トゲをつけているんだよ! トゲは花の武器なんだ!》
「あ……」
あたしは昼間に、卓巳君が言っていた言葉を思い出す。
あたしを押し倒した時、抵抗するあたしに卓巳君が言ったセリフ。
『萌香チャン……バラの花にはなんでトゲがあるか知ってる?』
あれはこの劇の中のセリフだったんだ。
「よっ!」
一人で納得していたあたしの肩を誰かがポンッと叩いた。
見ると、優一君がニコニコ笑って、あたしの左隣に立っていた。
「優一君! 合コンは……?」
「もう、フケてきた。こっちの方が面白そうじゃん」
「確かにねぇ……」
あたしの右隣では腕を組んで和美さんがクスクス笑ってる。
「卓巳、今頃、絶対焦ってるよね。萌香さんにあんな姿見られちゃってさ」
「だよなぁ」
優一君も楽しそうに相槌を打つ。
「けどさぁ……萌香さんと卓巳が知り合ってしまったのは、ほんと大誤算だったよねぇ」
和美さんの唐突な言葉に、あたしは驚く。
「え……どういうことですか?」

