和美さんの話は、そこで遮られた。
なぜなら、前方のステージから、聞きなれたあたしの大好きな声が響いたからだ。
《星があんなに美しいのは……そこに目には見えない一輪の花が咲いているからだよ……》
その瞬間、ステージの上に立つ卓巳君の姿がパッと照らし出された。
卓巳君は上下とも薄黄緑色のパジャマのような服に、橙色の長いスカーフのようなものを首に巻いている。
髪はカラースプレーで色をつけているのか、金髪になっている。
あの服装……。
そして、この物語って……。
あたしが考えをまとめようとしていると、ナレーションが入った。
《小さな、とても小さな星に、その王子様は住んでいました。とても美しい一輪の花とともに……。【星の王子さま】》
そうだ。
【星の王子さま】だ……。
子供の頃、お母さんに読んでもらったことがある。
子供のあたしには難解で、なんだかよくわからないお話しだったけど、小さな星からやってきた王子様の物語はなんとなく印象に残っていた。
そうか……。
優一君や、合コンで男の子達が言っていた『王子様』っていうのはこのことだったんだ。
卓巳君は【星の王子さま】の『王子様』役だったんだ。
子供の頃の記憶が甦ってくる。
確かに本の中で見た王子様は、今卓巳君が着ているような服装をしていた。
「洋服っていうのはね……」
ステージ上にいる卓巳君を見つめながら納得しているあたしに、和美さんが耳打ちした。
「あの衣装のことなの」
「えっ……」
「あれ、あたしの手作りなのよ。あたし、衣装と小道具担当なの。試着してもらうために、卓巳にはあたしの家まで来てもらったの。それだけ。卓巳ってば、せっかく取りにきたのに忘れて帰ったから……それであたしが洗濯してアイロンかけてたってわけ」
「そうだったんだ……」
なぜなら、前方のステージから、聞きなれたあたしの大好きな声が響いたからだ。
《星があんなに美しいのは……そこに目には見えない一輪の花が咲いているからだよ……》
その瞬間、ステージの上に立つ卓巳君の姿がパッと照らし出された。
卓巳君は上下とも薄黄緑色のパジャマのような服に、橙色の長いスカーフのようなものを首に巻いている。
髪はカラースプレーで色をつけているのか、金髪になっている。
あの服装……。
そして、この物語って……。
あたしが考えをまとめようとしていると、ナレーションが入った。
《小さな、とても小さな星に、その王子様は住んでいました。とても美しい一輪の花とともに……。【星の王子さま】》
そうだ。
【星の王子さま】だ……。
子供の頃、お母さんに読んでもらったことがある。
子供のあたしには難解で、なんだかよくわからないお話しだったけど、小さな星からやってきた王子様の物語はなんとなく印象に残っていた。
そうか……。
優一君や、合コンで男の子達が言っていた『王子様』っていうのはこのことだったんだ。
卓巳君は【星の王子さま】の『王子様』役だったんだ。
子供の頃の記憶が甦ってくる。
確かに本の中で見た王子様は、今卓巳君が着ているような服装をしていた。
「洋服っていうのはね……」
ステージ上にいる卓巳君を見つめながら納得しているあたしに、和美さんが耳打ちした。
「あの衣装のことなの」
「えっ……」
「あれ、あたしの手作りなのよ。あたし、衣装と小道具担当なの。試着してもらうために、卓巳にはあたしの家まで来てもらったの。それだけ。卓巳ってば、せっかく取りにきたのに忘れて帰ったから……それであたしが洗濯してアイロンかけてたってわけ」
「そうだったんだ……」

