不機嫌でかつスイートなカラダ

「なんで?」


「あたしとしてもつまんないと思う……よ?」


あ……ダメだ。

また涙が出そうになって、声が震えてしまった。


卓巳君はクスリと小さく笑うと、あたしの背後に回った。


「おいで……」


そしてあたしを引き寄せる。

あたしの体は、彼にすっぽりと包まれて、また後ろから抱え込まれるような格好になっていた。


「オレ、萌香チャンが嫌ならやらなくていいよ? 嫌がる女を無理やりどうこうする趣味はねーし」


――コクン

あたしは小さく頷いた。


「体、熱いね……。のぼせちゃった?」


卓巳君があたしの肩に顎を乗せる。

口から漏れる息が耳にかかって、くすぐったい。


「肌キレイだな……スベスベだぁ」


彼の手がウエストのあたりに触れた。


「やっ……やらないんじゃなかったの?」


「んー……そのつもりだったんだけど……」


その手が少しずつ上に上がってきて……胸に……触れた。


「きゃ……」


「すげ……。今かなりドキドキしてるでしょ?」


「だって……」


卓巳君があたしの顔をぐいっと自分の方へ向ける。


「これも、オレのせい……?」


そう言って、ゆっくりと……深いキスをした。