「プッ……相変わらず隙だらけ」
そう呟くと、両手であたしの顔を包み込んで、じっと見つめる。
ほんの少し傾いた卓巳君の顔が近づいてくる。
何をされるかなんて……わかっている。
わかってるのに、あたしは動くことも忘れてしまっていた。
「卓巳君……好き……」
「うん……」
もぉ……。
信じらんない……。
人前でこんなことするなんて。
でも、卓巳君のくちづけは媚薬みたい。
熱くて……とろけそうになって……何も考えられなくなる。
あたしは人前であることも忘れて、卓巳君にされるがままになっていた。
――キィイイイイイ
その時、すぐ脇の車道で、車が急停止した音が響き渡った。
と同時にドアが開かれる。
誰かがその車から降りたのかカツカツという足音が響く。
あたしは卓巳君にキスをされながら、その音の方へ視線を動かした。
信じられない光景にあたしは目を見開き、慌てて卓巳君から体を離した。
車から降りてきた人物は、すごい勢いでこちらに向かってくる。
顔は真っ赤で、怒りを通り越して、興奮しているようだった。
やがてその人はあたし達のすぐ横で立ち止まった。
「あ……やべ」
呟いた卓巳君の耳がその人によって引っ張られる。
そして、その人は卓巳君の耳に向かって大声で怒鳴りつけた。
「信じらんないっ! こんなとこで何やってんのよっ!」
「いててて……」
耳を引っ張られたままの卓巳君は顔をゆがめる。
「マジでやめろって……和美!」
そう呟くと、両手であたしの顔を包み込んで、じっと見つめる。
ほんの少し傾いた卓巳君の顔が近づいてくる。
何をされるかなんて……わかっている。
わかってるのに、あたしは動くことも忘れてしまっていた。
「卓巳君……好き……」
「うん……」
もぉ……。
信じらんない……。
人前でこんなことするなんて。
でも、卓巳君のくちづけは媚薬みたい。
熱くて……とろけそうになって……何も考えられなくなる。
あたしは人前であることも忘れて、卓巳君にされるがままになっていた。
――キィイイイイイ
その時、すぐ脇の車道で、車が急停止した音が響き渡った。
と同時にドアが開かれる。
誰かがその車から降りたのかカツカツという足音が響く。
あたしは卓巳君にキスをされながら、その音の方へ視線を動かした。
信じられない光景にあたしは目を見開き、慌てて卓巳君から体を離した。
車から降りてきた人物は、すごい勢いでこちらに向かってくる。
顔は真っ赤で、怒りを通り越して、興奮しているようだった。
やがてその人はあたし達のすぐ横で立ち止まった。
「あ……やべ」
呟いた卓巳君の耳がその人によって引っ張られる。
そして、その人は卓巳君の耳に向かって大声で怒鳴りつけた。
「信じらんないっ! こんなとこで何やってんのよっ!」
「いててて……」
耳を引っ張られたままの卓巳君は顔をゆがめる。
「マジでやめろって……和美!」

