不機嫌でかつスイートなカラダ

涙と一緒にあふれ出た気持ちはもう、止めることができない。


「好き……好きなの……卓巳君が好き……好き」


「うん……うん……」


卓巳君は優しく髪を撫でながら、何度も頷いていた。


「萌香チャン……」


頭上から聞こえる声に顔を上げると、肩を揺らせてクスクス笑っている卓巳君と目が合った。


「大胆な告白……すげぇうれしんだけど。オレら……超、注目されてる」


「へ……?」


慌てて周りを見渡す。

確かに、歩道にいる誰もがこちらをチラチラと見ていた。

考えてみれば当たり前だ。

あたし達ってば道の真ん中で抱き合って座り込んで……。

おまけに、あたしは泣きながら「好き」を連呼しちゃってるし。


さりげなくチラチラ見ている人もいれば、立ち止まってあからさまにあたし達の様子を窺っている人もいる。


「きゃああああ。ごめんなさい」


そう言って、卓巳君の腕から逃れようとしたあたしの腰はさらに引き寄せられた。


「もう、今更じゃね?」


――チュッ

卓巳君はあたしの頬に唇を寄せた。


「たっ、卓巳君っ」


慌てて、頬を押さえる。

もう顔も耳も火照って、寒いのか暑いのかすらわからない。


「萌香チャンがこんなに大胆だったとはねぇ……」


卓巳君は相変わらずニヤニヤ笑ってる。

きっとあたしの反応を見て、楽しんでるんだ。


ひどいっ。

せっかく頑張って告白したのに……。

卓巳君てば、いつも一人だけ余裕なんだもん。


「やだっ。いじわるしないでっ」


あたしは卓巳君の腕の中で身をよじった。

だけど、がっちり抱え込まれていて動けない。

抵抗しようと伸ばした手首を掴まれ、今度は耳にキス。


「きゃ……」