不機嫌でかつスイートなカラダ

幸せそうに腕を組むカップル。

家族へのお土産だろうか、クリスマスケーキを大事そうに抱えるサラリーマン。

パーティの帰りなのか、ほろ酔い気分ではしゃいでいる学生のグループ。

みんな幸せそう。


押し寄せてくる孤独感に胸が苦しくなる。


ふいに卓巳君の顔が浮かんだ。

――会いたい。

会いたいよ……。

卓巳君。


今どうしてるの?

和美さんと一緒なの?

アナタもみんなみたいに幸せそうに笑ってるの?


あたしは……。

あたしは、アナタのことばっかり考えてる。


いくら考えてもしょうがないのに……。

もう会えないのに……。


苦しいよ……。


きっと寒さのせいじゃない。

あたしの目には今にも零れそうな涙が溢れる。


目の前の景色が歪んでみえる。


――ドンッ


「きゃっ……」


すれ違う人と肩が触れた瞬間、あたしの体はバランスを失う。

転びそうになりアスファルトの地面が近づいてきたその時、腕をぐいっと引っ張られた。


「萌香チャン、大丈夫?」


耳元で囁かれたその声には聞き覚えがあった。

あたしは振り返って、その人を見つめる……。



まさか……ウソでしょ?


なんで……?